BMI 25以上が肥満の定義になります。
肥満に加えて、肥満に関連するなんらかの障害や疾患、すなわち、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、心血管障害、脳血管障害、腎機能障害、高尿酸血症、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群、月経異常、変形性膝関節症など体重超過に起因する整形外科的な疾患、などを合併した場合、「肥満症」と呼ばれます。
筋肉が多い方でも肥満の定義に合致することがあるため、BMIは実際には本質的な指標ではありません。皮下脂肪よりも内臓脂肪が問題で、特に、腹腔内の内臓脂肪が増加した内臓脂肪型肥満が問題となります。
このため、臍(へそ)の高さで測った「ウエスト周囲径」が重要で、男性で85cm以上、女性で90cm以上の場合は、内臓脂肪面積100cm2以上と考えられます。メタボリック症候群の診断にも使われますが、重要なことは、内臓脂肪の蓄積を意味する指標だという点です。
肥満の多くは主に運動不足や過食、食生活の偏りなど、生活習慣が問題で生じる単純性肥満です。一方、甲状腺機能低下症やクッシング症候群など、内分泌学的な異常によって引き起こされる場合もあり、二次性肥満と呼ばれます。当院では、こうした二次性肥満のスクリーニングを実施します。
2024年、肥満治療薬として週1回の注射薬であるウゴービが上市されましたが、現在は処方可能な医療機関が限られています。当院ではウゴービを使用することができませんが、内科的な減量プログラム(少なくとも2ヶ月に1回の栄養指導、内服薬による肥満症の治療)を外来で提供し、ウゴービ使用の希望と適応がある場合には、しかるべき医療機関に紹介します。