痛風は起こってからでは、コルヒチンやNSAIDsによる対症療法しかありません。第1中足趾節(MTP)関節に起こるのが典型例で、男性に多い疾患です。高尿酸血症が痛風発症の母地となりますが、血清尿酸値がどのくらいで痛風が発症するのか、決まっていません。尿酸値の上下変動が大きい場合に発作を誘発する、と言われており、尿酸降下薬で急に大きく下げ過ぎた場合にも、痛風は起こります。
日本人の高尿酸血症の80%は、尿酸排泄低下が関与しており、尿酸排泄の70%を腎臓が、残りの30%を消化管が担っています。一方で、内服薬としては尿酸合成阻害薬がスタンダードです。当院では、尿酸合成阻害薬で効果が足りない場合に、尿酸排泄促進薬(尿酸再吸収阻害薬など)の追加を検討しています。
高尿酸血症は、痛風の他にも、尿路結石、腎障害、動脈硬化、にも関与するため、尿酸値は6.0mg/dL以下に保ち、ビールなどを大量に飲んで尿酸値を急激に上昇させないことなどがポイントになります。